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【施工のこだわり】JIS茶屋町店 vol.2

2025.08.14

こちらは前回の投稿からの続きになります。

ぜひ、こちらの記事もご覧ください!!

 

楕円形カウンターの施工が始まった当初、私たちが頭を悩ませていたのは「光」だけではありませんでした。
実は、形状に伴う“強度”と“仕上がりの美しさ”もまた、大きな課題のひとつだったのです。
今回は、その課題にどう向き合い、どのように乗り越えたかをご紹介していきます。

 

②荷重に耐えうる強度を確保しつつ美観を保つ事

 

このカウンター、実は強度の確保には意外と頭を抱えました。

何故なら、仕上がりの美しさを意識していたからです。

 

自重はもちろんの事、当初の計画から棚板に相当な荷重がかかる事が想定されていました。

全周約20mの楕円棚の想定荷重から引っ張り強度を計算し、荷重対策として40本に及ぶスラブアンカーにてメインの強度補強を行いました。

 

その上で特に大きく苦労したポイントが2つありました。

 

1つ目は、40本のスラブアンカーを正確に打設する事です。

配管・配線・鉄骨がひしめき合う中で正確にアンカー補強を行うのは容易ではありませんでした。

 

成功の鍵となったのは、NCルーター(NCとは数値制御”Numerical Control”の略です)を用いた極めて正確な模擬楕円形を作成することでした。

 

NCルーターを使用することで、現地にてカウンター角度や補強間隔を微調整する事によって適切に補強する事が可能となりました。

 

そしてなんといっても最大のポイントは下から見た時に補強の痕跡を一切残さない事です。

 

一般的な補強だと棚板の下部には当然フクロナット等の補強の痕跡が残っている場合がほとんどですが仕上がりの美しさに拘った末、特殊なボルト台座を作成し、棚内部に埋め込む事によって補強の痕跡を一切残さない美しい仕上がりにする事が出来ました。

 

  

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③異素材が複雑に交わる中、一体感を持たせる事

 

バーカウンターを構成するマテリアルは大きく分けて5種類あります。

 

メインのマテリアルは、上部立ち上がり面の水面柄ステンレスと下部立ち上がりのウェンジのリブ材。

  

サブマテリアルとして天板を覆うコーリアン、ウェンジの色に合わせたポリ合板及びメラミン材、木口・巾木・足掛けに使用しているスチール材。

 

 

 

それぞれの美しさを最大限に活かし、かつ一体感を持たす為に施工方法については熟考しました。

なぜなら、施工方法に妥協が生じると異素材同士の継ぎ接ぎになってしまい、美しさとは程遠くなってしまうからです。

 

 

数あるこだわりの中から、特に重要視したこと。それは、、、

『異素材同士の切り替えが自然で、美しく見える様にすること』

 

  

金物全般の固定についてですが、通常であればベースプレート等の固定部材が随所に丸見えになってしまうところを、ベースプレートを使用しない事により、まるで初めから1つだった様な一体感を生み出す事に成功しました。

 

特に注目なのが足掛け金物。

 

壁面リブ材の凹凸の幅と角材の幅を合わせピンポイントで凹みに納める事で切り替えが自然で、どこから見ても美しい仕上がりになっています。

 

 

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2回に渡り、楕円カウンターの製作裏話を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

紹介したのはごく一部ですが、カウンターに込められた挑戦の物語は、ここでひと区切り。。。

 
しかし、現場には、まだまだ語りきれないこだわりが詰まっています。
次回は、空間を演出するもうひとつの主役――吹き抜けに設置されたビッグスクリーンについてご紹介します。

 

お楽しみに!!

 

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